（4）チャンスをつかみ、自己を発展させるカギは経済発展である

　現(xiàn)在、周辺の一部の國や地域は、われわれより経済発展が速い。もしわれわれが発展しなければ、あるいは発展のスピードが遅すぎれば、一般人が比較するだけでもすぐに問題の存在が分かるだろう。このため、発展が可能であれば妨げてはならず、條件を備えた場所はできる限り発展を速めなければならない。効果や質(zhì)を追及し、外向型の経済を進(jìn)めさえすれば、何も心配すべきことはない。スピードの遅さは停止、または後退と同じだ。

　われわれ自身の近年の経験からみて、數(shù)年ごとに経済発展のステップを一つ上っていくことは、可能なことだ。われわれが本當(dāng)の意味でスタートしたのは1980年だ。1981年、1982年、1983年の3年間、改革は主に農(nóng)村で行われた。1984年は重點(diǎn)を都市の改革に移した。経済発展が比較的速かったのは1984年から1988年だ。この5年間は、まず農(nóng)村改革で新たな変化が多くもたらされた。農(nóng)産物が大幅に増産し、農(nóng)民の収入も大幅に増加し、郷鎮(zhèn)企業(yè)も出現(xiàn)した。多くの農(nóng)民の購買力が向上し、たくさんの新しい住宅が建っただけでなく、自転車、ミシン、ラジオ、腕時計という「四種の神器」や高級消費(fèi)財が一般の農(nóng)民家庭に普及するようになった。農(nóng)業(yè)の主製品?副製品が増加し、農(nóng)村市場が拡大したほか、農(nóng)村の余剰労働力が移転することで、工業(yè)の発展が強(qiáng)く促された。この5年間、工業(yè)生産額は6兆元余りに達(dá)し、年間成長率は平均で21.7％となった。衣食住や交通、消費(fèi)などに関わるカラーテレビ、冷蔵庫、洗濯機(jī)などの工業(yè)製品がいずれも大幅に成長した。鋼材、セメントなどの生産資材も大きく成長した。農(nóng)業(yè)と工業(yè)、農(nóng)村と都市は、まさにこのように相互に影響しあい、促進(jìn)しあってきた。この期間、わが國の富は大きく増加し、國民経済全體が新たなステップを上ったと言うことができるだろう。1989年からは整理が始まった。改革と整理に私は賛成であり、確かに必要だと考える。経済の過熱は、確かに一連の問題をもたらしている。例えば、通貨供給量がやや多すぎ、物価の変動も大きすぎ、事業(yè)の重複も比較的深刻で、一連の浪費(fèi)を招いた。しかし、あの5年間の発展加速の全貌はどのようにみるべきか？　あの5年間の発展加速は少なからぬ功績だったというのが私の評価だ。あの數(shù)年間の飛躍がなく、経済全體が一歩上の段階に進(jìn)むことができなかったら、続く3年間の改革と整頓を順調(diào)に進(jìn)めるのは不可能だっただろう。みるところ、われわれの発展においては、一定の段階ごとにチャンスをつかむ必要がある。數(shù)年間は急ピッチで進(jìn)み、問題が現(xiàn)れたところで適時に処理し、その後に引き続き前進(jìn)していく。根本的には、手中の物が多くなれば、さまざまな矛盾や問題を処理する際に、主導(dǎo)的な位置にたつことができる。われわれのような発展途上の大國にとって、経済は速く発展させる必要があり、すべて平坦に、穏やかに進(jìn)めるわけには行かない。経済の安定性やバランスの取れた発展に注意する必要はある。発展こそが確かな道理であり、この點(diǎn)ははっきりさせておく必要がある。もし分析の不適切さから誤解を招けば、小心翼翼として大膽な動きをとることができなくなり、結(jié)果としてチャンスを失うことになる。 

　國際的な経験からみれば、一連の國は発展のプロセスの中で、いずれも急速な発展を遂げた時期、あるいは発展が若干速まった段階がある。日本、南朝鮮（韓國）、東南アジアの一部の國や地域はまさにそうだ?，F(xiàn)在、われわれの國內(nèi)には條件が整い、國際環(huán)境も有利になり、さらに、大事業(yè)のために力を集中させることのできる社會主義制度の優(yōu)位性を発揮すれば、今後の現(xiàn)代化建設(shè)の長いプロセスの中で、発展速度の比較的速い、効率の比較的良い段階を若干作り出すことは、必要でもあり、可能でもある。われわれはまさにこうした遠(yuǎn)大な志を持たなくてはならないのだ?。?992年1月18日～2月21日、「南巡講話」の骨子）