■映畫で物語を語る能力に匹敵する文章の力

有名人が自分の家族のことを語ると、心を解放できずにありふれた內(nèi)容になるか、過去の苦労話の一辺倒になるかのどちらかが多い。しかし、北野武の自伝的小説は、自分が正しいと感じている人が書くような毒にも薬にもならないような読み物では決してない。ある評(píng)論家は、「北野武の文章は単刀直入で、余計(jì)な言葉がまったくなく、映畫で物語を語る能力に完全に通じるものがある。コンパクトでメリハリがあり、感情に流されずに冷靜を保っている」と述べている。「菊次郎とさき」は、この十?dāng)?shù)年間に何度もドラマ?舞臺(tái)化され、すでに定番の名作となっている。

映畫界の同業(yè)者は、北野武について、「北野武はたとえ一言もしゃべらなくても、そこに顔が映し出されるだけで、なんとも言えない味が出る。だが、誰も、その表情から心を読み取ることはできない。何をやっていても、何を話していても、ふざけて真面目（まじめ）でなければ、真面目にふざけている」とコメントしている。

北野武のこの真面目でふざけた獨(dú)特の蕓風(fēng)に、家族の影響が深く刻み込まれていることを発見するのは難しいことではない。北野武の人生は、何度もクライマックスが続き、座が白けることがまったくない映畫みたいなものだ。北野武は同著について、自身の內(nèi)心世界を反映したものだと語っている?！赴长稀⑷摔砷Lして大人になったかどうかは、両親に対する感情のあり方で判斷されると思っている。両親と向き合い、両親も苦労したんだなと感じた時(shí)が、大人に向かう第一歩だと思う」と語っている。

（編集MZ）

「人民網(wǎng)日本語版」2015年4月16日