
自伝「私の中國での75年」
○手記を読んで
この手記は一人の日本人殘留孤児の物語であるばかりでなく、80歳の一人の老人の日常生活の歴史が描かれている。最初、この「日本人殘留孤児」が書いた本をやや重苦しい気持ちで読み始めたのだが、読んでいくうちに卻って彼が孤児であることを忘れていった。そしてむしろ彼の豊かな日常生活や細部まで鮮明に覚えている記憶力に驚かされた。
宏一さんの好物は水餃子だという。當時、開拓団の日本の村は東北の中國人の村とさほど離れておらず、彼の家でも中國人の農(nóng)民をお手伝いとして雇っており、年越しにはそのお手伝いが外套で包んだ水餃子を?qū)盲堡皮欷?。宏一さんは中國人家庭に引き取られてから、水餃子の作り方を?qū)Wび、親戚に會いに日本に帰った時には、親戚や友人に作ってご馳走するという。
老人の素樸な自敘伝は溫かさに満ちている。彼の戦爭時代の歴史に関する記述は正確で、多元的で、中日両國の數(shù)多くの一般大衆(zhòng)が人生において経験したことから物事の是非を切り離して、しっかりと個々人の命として帰著させている。そして無垢で素樸な考えだけでなく、この80歳の老人は穏やかな口調(diào)で個人の尊厳を語っているのだ。(編集TG)
「人民網(wǎng)日本語版」2016年5月27日
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