子供たちの発表會(huì)にて

そんな難しいバレエの技を身につけるべく、多くの子供たちが目標(biāo)の一つに掲げているのが、2年に一度北京市內(nèi)の劇場(chǎng)で行われる発表會(huì)だ。竹田さんが學(xué)生時(shí)代ステージに立っていた頃と同じように、小さな子供たちにとってはワクワクドキドキの「お楽しみ行事」かもしれないが、今では指導(dǎo)する側(cè)となった竹田さんにとっては息つく間もない多忙な一日。朝9時(shí)前には劇場(chǎng)に到著し、メイクルームをクラス毎に分けて張り紙をし、衣裝や道具を搬入、その後お晝にかけて止めどなく120人超の可愛いバレリーナたちが年齢の大きい子から順に舞臺(tái)裏に流れ込み、保護(hù)者ボランティアの協(xié)力を得ながら著替えやメイクを進(jìn)めていく。この間メイクの仕方や髪飾りのつけ方など竹田さんとの様々な確認(rèn)のやり取りが途絶えることはない。舞臺(tái)経験のない子供がほとんどのため、竹田さんは晝食を摂る間もなく午後のリハーサル指導(dǎo)へと移り、十?dāng)?shù)クラスを次々と捌く。5月22日に行われた発表會(huì)當(dāng)日は、15時(shí)の開演ギリギリまでリハーサルが行われ、本番が始まると「いつも必ず起きる」というハプニングに対処しながら、2時(shí)間がバタバタと瞬く間に過(guò)ぎていく。発表會(huì)が終わると喜びも束の間、120人のバレリーナの安全な退場(chǎng)に気を配り、子供たちが帰った後も劇場(chǎng)の撤収作業(yè)に追われる。

教室の清掃といった日常の雑務(wù)に加え、子供の體型が一人一人違うため、発表會(huì)前にはレッスン後から深夜にかけて連日衣裝直しも親子二人で行っている。髪飾りや手に持つ花輪といった小道具も、相応しいものが売っていないことが多く、ほとんど母親が手作りで製作している。ゴールなきマラソンレースのようにひたすら走り続ける二人だが、竹田さんの母親は「風(fēng)邪を引いている暇もない。お陰で身體が丈夫になった」と笑って苦労を吹き飛ばす。

ここまで苦労してでもバレエ講師を続けられる原動(dòng)力とは何なのか。この問(wèn)いに対し竹田さんは、「まだ幼稚園に通うヨチヨチ歩きのバレエから始め、他にもバレエ教室が増えていく中、辭めずに通い続けて少しずつ成長(zhǎng)し、トウシューズを履いて踴れるようになって巣立っていく子がたくさんいる。子供たちのそうした成長(zhǎng)の姿が、私たちの続けようという勵(lì)みになっている」と語(yǔ)る。

実は竹田さんが子供たちへのバレエの指導(dǎo)に熱心な理由がもう一つある。英國(guó)留學(xué)中、足の小指の骨を折り、自身はもうトウシューズを履けなくなってしまい、その時(shí)から講師としてバレエの魅力を伝え続けていこうと決心していた。「舞臺(tái)に立つ夢(mèng)はもう諦めたが、自分が習(xí)ってきたバレエの知識(shí)や経験を、今度は講師として一人でも多くの子供たちの教育に役立てていきたい。この教室は続けられる限り開き続け、バレエを広く知ってもらえるよう頑張りたい」と笑顔で意気込みを語(yǔ)った。（文：巖崎元地）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2016年6月30日