たびたび先送りされてきた「日米貿(mào)易協(xié)定交渉」が16日に米國?ワシントンで行われた。雙方は「交渉の範(fàn)囲」、「目標(biāo)」、「タイムテーブル」などをめぐり話し合いを進める。日米の意見が一致することは困難とみられ、交渉のハードルはやはり高いといえる。（文：劉軍紅?中國現(xiàn)代國際関係研究院研究員?！腑h(huán)球時報」に掲載）

2016年の米國大統(tǒng)領(lǐng)選挙期間中に、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は「環(huán)太平洋パートナーシップ協(xié)定」(TPP）からの離脫を明言しており、これは日米の自由貿(mào)易協(xié)定（FTA）交渉の再開が必然であることを意味する。17年にトランプ氏は大統(tǒng)領(lǐng)に就任するやいなや、日本の安倍晉三首相が「タマゴ」をいっぱい入れたTPPのバスケットを地面に放り投げた。安倍首相はTPPを死守しようと力を盡くし、日本?EU（歐州連合）経済連攜協(xié)定（EPA）を積極的に推進し、対米交渉の戦略や體制を立て直し、麻生太郎副総理とペンス米副大統(tǒng)領(lǐng)が中心となる「日米経済対話」の枠組を打ち出した。しかしトランプ大統(tǒng)領(lǐng)は「対話」には満足せず、自ら旗を振って「日米貿(mào)易協(xié)定交渉」を推進し、自動車への追加関稅をかざして日本を威嚇した。日本は「物品貿(mào)易協(xié)定」（TAG）という獨創(chuàng)的な構(gòu)想を打ち出して対処したが、これはTPPが規(guī)定する農(nóng)業(yè)や自動車などの物品貿(mào)易に限定されたもので、金融やサービスといった日米で実力差の大きい日本の弱い分野は回避されている。

最初の交渉において、日米にはそれぞれの主張があり、意見は一致していない。例えば、米國はまず交渉の範(fàn)囲を確定すべきと主張し、一括型の法的効力のある?yún)f(xié)定を追求するのに対し、日本は規(guī)定のTAGを堅持しようとする。米國は競爭的通貨安を制限する「為替條項」の導(dǎo)入を求めるが、日本はこれまでの通貨をめぐる駆け引きを延長し、米國の要求を斷固はねのける構(gòu)えだ。米國は全面的な経済関係の協(xié)定を目指して交渉を進め、戦略の掘り下げを狙うが、日本はその場をしのいで、自動車への追加関稅をなんとかして回避することを目指す。

日米貿(mào)易協(xié)定交渉の範(fàn)囲、議題、タイムテーブルをめぐる議論には、実は交渉の主導(dǎo)権爭いが反映されている。交渉において、主導(dǎo)権は実力だけで単純に決まるものではなく、「交渉の設(shè)計図」が最も重要な役割を発揮することが多い。具體的には、何を交渉するか、どうやって交渉するか、最終的にどのような方法で交渉を妥結(jié)されるかなどの設(shè)計図だ。米國はまず範(fàn)囲を確定するよう主張し、農(nóng)業(yè)、サービスなどを網(wǎng)羅する一括型の自由貿(mào)易協(xié)定（FTA）を目指す。ムニューシン米財務(wù)長官は、「日米貿(mào)易問題を含め、両國経済関係などの幅広い議題をカバーする必要がある」と強調(diào)する。日本は自動車や農(nóng)業(yè)などの物品貿(mào)易に限定する方針を堅持し、弱點分野を回避し、日本企業(yè)の競爭力を確保しようとする。

米國の農(nóng)務(wù)長官や財務(wù)長官は交渉が米國の意図する方向へ発展するよう推進するため、交渉に先だって「場外から圧力をかける」とたびたび発言。農(nóng)務(wù)長官はまず農(nóng)産品関稅協(xié)定を結(jié)び、TPP11と日EUのEPAの発効によりもたらされた米農(nóng)産品の競爭力低下を解消しようとし、財務(wù)長官は「為替條項」の導(dǎo)入が必要であると強調(diào)した。トランプ大統(tǒng)領(lǐng)のしかける貿(mào)易戦爭に対し、日本が最も懸念するのは米國が「米國?メキシコ?カナダ協(xié)定」（USMCA）の「通貨條項」と「數(shù)量制限」、さらには「労働基準(zhǔn)」を援用することだ。特に金融危機から10年が経ち、米日歐の量的緩和政策は撤退問題に直面している今、「円高」は「付隨して発生する副産物」になりかねない。円の過剰な値上がりをどのように抑制するか、日本政府の政策が試される。同時に米國もドルの過剰な値上がりをどのように是正するかの問題に直面する。明らかなことは、相手に制約を加える「為替條項」が、米國が通貨の覇権を行使するためのゴーサインに有利に働くということだ。

タイムテーブルをどのように設(shè)定するかは、交渉のペースに関わってくる。日本は即斷即決で、余計な問題が生じないようにしたい考えだが、昨年9月に交渉が確定してから、交渉開始のチャンスをなかなか見つけられなかった。ここには米國の「貿(mào)易戦爭後の體制」における日本の優(yōu)先順位の低さ、地位の低下が映し出されている。米國は元々は早期妥結(jié)を願い、來年の大統(tǒng)領(lǐng)選に有利に働くことを狙っていたが、中米交渉の出口が見えず、大統(tǒng)領(lǐng)選挙が迫ってきたことを踏まえ、日本との間で急いで安直な協(xié)定を結(jié)んでも幅広い利益への要求には答えられないと判斷した。またTPPがたどった道のりを教訓(xùn)として、大統(tǒng)領(lǐng)選挙の前に交渉を妥結(jié)するより、選挙戦の期間に全面的交渉を進める方がよいと判斷した。この交渉が最終的に日米貿(mào)易協(xié)定交渉への格上げの序章になるかどうかは、今後の行方をみなければわからない。（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語版」2019年4月18日