通常の生活においては想像以上に早く適応した寺崎さんだが、業(yè)務(wù)上では、戸惑うこともあったという。
――中國(guó)と日本でスケジュールを決める時(shí)、中國(guó)側(cè)のスケジュールがなかなか決まらないんです。日本は、特に役人の場(chǎng)合は、1月前にはアウトラインが決まって、少なくとも1週間前には細(xì)かいスケジュールを出すのが通常ですが、中國(guó)では極端な話(huà)だと當(dāng)日にならないと決まらない。日本側(cè)からすると、知事が行くのに、誰(shuí)と會(huì)うかさえ決まらないなんて、意地悪されているのではないかと思ってしまう。
ただ、中國(guó)側(cè)の體制ややり方を知ると、それは決して意地悪ではないんですよね。しかも大抵當(dāng)日になると見(jiàn)事に上手くいくんです。基本的に準(zhǔn)備をしていないわけではなく、事前に物事を決めない、あるいは発表しないだけなんですよね。ただ、間にたつ立場(chǎng)としてはドキドキしますし、心臓に悪いです。政府の意思決定の仕方が違うということにやはり戸惑いを感じました。
またマスコミの対応の仕方も異なります。日本の場(chǎng)合は、知事や市長(zhǎng)が海外出張する場(chǎng)合は、當(dāng)然自らが記者會(huì)見(jiàn)で情報(bào)をオープンにして、帰國(guó)してからも會(huì)見(jiàn)で報(bào)告を行います。でも、中國(guó)では報(bào)道官が代理で行い、省長(zhǎng)や書(shū)記が自ら記者會(huì)見(jiàn)するということはないですよね。このほか、知事などが中國(guó)に來(lái)て要人に表敬訪問(wèn)をする際には、日本人からすると少なくとも冒頭はマスコミに公開(kāi)するものなのですが、中國(guó)の場(chǎng)合は様々な制約があったりする。
このように、日本の価値観をそのまま持ってこようとすると、違うなということがたくさんありました。なので、我々の仕事は中國(guó)の風(fēng)習(xí)や思考、やり方に悪意がないということを日本側(cè)にわかってもらわなければならない、いわば通訳としての役割も擔(dān)っています。
こうした経験を通して、寺崎さんの中で、中國(guó)、ひいては海外で仕事をする上で改めて大事だと感じることがあった。
――やはり文化の違いを、違いとして認(rèn)識(shí)することが大事だと思いました。違いというものを認(rèn)識(shí)しないで、自分たちの価値観ですべてを測(cè)ると、それは良い、悪いの判斷になってしまう。まずは価値観ややり方が異なることを前提に、土臺(tái)が異なるということを理解し、良い、悪いで判斷してはならないと思いました。
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