外交部（外務(wù)省）ウェブサイトによると、中國の王毅外交部長（外相）は9日、ASEAN関連外相會議に出席した際、要請に応じて日本の岸田文雄外相と非公式に接觸し、中日関係の改善策について意見交換した。王部長は中國側(cè)の原則的立場を厳粛にしっかりと表明したうえで、両國関係に存在する政治的障害を克服すべく的確な努力を払うよう日本側(cè)に要求した。京華時報が伝えた。

■非公式接觸とは？

――事前に議題などを定めない一段低いレベルの接觸

　中日関係においては今回の「非公式接觸」以外に、2006年1月に局長級非公式実務(wù)接觸が行われたことがある。この非公式実務(wù)協(xié)力では、東中國海問題を含む中日関係の問題について話し合われた。

　外交副部長（外務(wù)次官）や駐日大使を歴任した徐敦信氏によると、非公式接觸とは雙方が事前に約束せず、事前協(xié)議を行わず、特定の議題を定めず、何らかの國際的な場で良い機(jī)會があれば接觸するというもので、日常の言葉で言う「立ち止まる」に相當(dāng)する。

　「非公式接觸は多くがあいさつを交わす程度の、短時間の接觸だ」。國際問題研究所の王泰平?特約研究員は「多國間の場で非公式接觸を行うことは、外交の場ではあり得ることだが、通常特に強(qiáng)調(diào)することはない」。中國社會科學(xué)院日本研究所の李微所長も、非公式接觸は正式な接觸よりも明らかに一段レベルが低いと指摘した。

■なぜ「非公式接觸」か？

――日本側(cè)は関係改善に向けた條件を満たしていない

　日本による釣魚島（日本名?尖閣諸島）「國有化」および安倍首相の靖國神社參拝によって、中日関係は2012年9月以降現(xiàn)在まで膠著狀態(tài)が続いている。就任後、習(xí)近平國家主席は安倍首相と正式な會談を行っていない。「もし日本側(cè)が強(qiáng)く求めるのなら、顔を合わせ、彼らが何を言うのか聞いてみる場を設(shè)けることもできる。だがそれには先決條件がある。少なくとも関係改善を望み、行動を多少自制する必要がある。だが現(xiàn)時點では、日本側(cè)はこうした條件を満たしていない」と李氏は指摘した。

　王氏は「今回の中日外相非公式接觸には日本側(cè)が首脳會談や外相會談を含む各レベルでの非公式接觸を繰り返し求めてきたという大きな背景がある。中日関係は現(xiàn)在深刻な困難に直面しているが、こうした困難は中國側(cè)が原因ではない。関係改善を望むのなら、日本側(cè)は実際の行動を取って、困難を克服し、両國関係を正常化させなければならない。王部長は今回『克服の鍵は日本にある』との簡潔な言葉で、この問題についてはっきりと述べた」と指摘した。

■「正式な接觸」はいつか？

――日本側(cè)の態(tài)度が変らなければ中國側(cè)は応じず

　李氏は「日本側(cè)は歴史認(rèn)識問題で何ら変化がないうえ、最近日本軍機(jī)が中國の防空識別圏に數(shù)回進(jìn)入し、安全保障?防衛(wèi)分野で防衛(wèi)白書を発表し、『中國の脅威』を誇張し、言動によって両國関係の緊張を激化させており、何ら言動に自制が見られない。日本側(cè)が中國との正式會談を強(qiáng)く望み続けても、こうした前提では中國側(cè)が応じることはない」と指摘した。

　正式な接觸はいつになる見通しか？王氏は「中國側(cè)は正式な接觸の條件は整っていないと考えているため、ASEAN會議の場で共に出席していた両國外相が短い時間を利用して接觸した。王部長はこの機(jī)會に中日関係における中國側(cè)の立場を厳粛にしっかりと表明し、実際の行動によって両國関係における困難を克服しなければならないと強(qiáng)調(diào)し、誠意を示すよう日本に要求した。2012年12月の第2次安倍政権発足以來、中日外相の対話は初だ」と指摘した。（編集NA）

　「人民網(wǎng)日本語版」2014年8月11日