本書は、以下の4つの部分からなる。

一、序言部分

日誌整理者である武藤秋一氏の息子?田中信幸氏が、父の出身家庭の背景や青年時(shí)代の趣向、軍隊(duì)に加わった背景、父と子とが対話を始めるに至った経過(guò)、戦爭(zhēng)責(zé)任についての認(rèn)識(shí)をともに形成した過(guò)程などを回顧する。

二、上編「父との対話、私たちの戦爭(zhēng)責(zé)任」

少年時(shí)代の田中氏の父に対する印象、父の戦爭(zhēng)への態(tài)度、父が軍人であったことに対する自身の認(rèn)識(shí)の変化、父が子に日誌をわたすに至った経過(guò)、父と子が対話を通じて「あの戦爭(zhēng)は侵略戦爭(zhēng)だった」という認(rèn)識(shí)を形成し、深い反省にいたった過(guò)程がつづられている。

三、下編「武藤秋一の従軍日誌と書簡(jiǎn)選」

武藤氏の従軍日誌と戦爭(zhēng)関連書簡(jiǎn)を田中氏が整理したものを原本とし、翻訳したものである。日本の中國(guó)侵略の歴史の真に迫る反映であり、本書の核心部分となる。

この部分に加えられた「敗戦70年を考える」は、敗戦70年についての田中氏の考えを示したもので、戦爭(zhēng)責(zé)任の追及を避ける戦後の日本社會(huì)や歴史教科書、南京大虐殺、慰安婦、日本社會(huì)の右傾化などの問(wèn)題に対する見方が綴られている。

四、結(jié)語(yǔ)

本書によると、武藤秋一氏の日誌原本は複製され、日本の関係研究者や韓國(guó)の慰安婦博物館に提供され、これにかかわるメディア報(bào)道もある。しかし日誌の全內(nèi)容が公にされたことはなく、正式な公開と出版は今回の中國(guó)語(yǔ)版が初めてとなる。

本書が世に出るにあたっては、作者である武藤氏だけでなく、息子であり作者の一人でもある田中信幸氏も大きく貢獻(xiàn)した。父と対話を続け、父の世代の戦爭(zhēng)への態(tài)度を理解しようと努め、日誌公開を決意し、侵略戦爭(zhēng)の記憶と不戦の誓いを呼びかけたのは田中氏にほかならない。2014年1月、人民日?qǐng)?bào)社の韓國(guó)駐在記者の萬(wàn)宇氏が、慰安婦の取材の過(guò)程で、田中氏と「従軍日誌」を知り、田中氏に執(zhí)筆依頼をしたことで、「従軍日誌」は中國(guó)の読者に知られることとなった。これを土臺(tái)として、人民日?qǐng)?bào)社の日本駐在記者の劉軍國(guó)氏が長(zhǎng)期にわたる追跡取材を行い、多方面との連絡(luò)や交渉を経て、本書の中國(guó)語(yǔ)版の翻訳と國(guó)內(nèi)での出版が実現(xiàn)されるに至った。