本書は、國內(nèi)の多くの抗日戦爭の史料の中でも特殊な地位と歴史的な価値を持っている。
一、本書は、中國人による抗日戦爭史ではなく、日本人による侵略史である。いかなる戦爭も一方的なものではなく、侵略する側(cè)があれば、侵略される側(cè)がある。侵略の歴史の記録は一般的に、侵略された側(cè)により多く殘るものである。侵略した側(cè)は、明確な動(dòng)機(jī)がある場合を除き、侵略の歴史を自ら明らかにすることはまれである。中國に対する侵略戦爭を行った日本の場合はなおさらである。本書でも指摘されている通り、第2次大戦後の日本では、戦爭の発動(dòng)者や參加者、その子孫のほとんどは、侵略戦爭という自らの通った道を語りたがらず、侵略の歴史を自ら公にした史料は極めて少ない。だが歴史の真相を明らかにするには、侵略された側(cè)だけの歴史記録では不十分であり、侵略した側(cè)の史料も同様に重要な価値を持っている。本書はこの面での不足を補(bǔ)うものであり、侵略した側(cè)の資料による裏付けを欠いていた中國の抗日戦爭史學(xué)界に貴重な史料を與えるものと言える。
二、本書は侵略した側(cè)の手によるものであり、日誌中に示された立場や観點(diǎn)は、侵略された側(cè)とはまったく異なる。文中には、中國を蔑視?敵視する言葉や、中國人の大量殺傷についての記述が含まれるが、これは歴史のまぎれもない事実の一つである。中國や中國人に対する差別的な言葉や陳述された事実の真?zhèn)韦藢潳筏皮稀⒃U者はいかなる飾り立ても行わず、直訳に努めた。これは資料中に示された侵略した側(cè)の歴史の真実性を保つためである。読者には客観的な理解と閲読を求める。
日誌部分は70年前の戦爭中に書かれたもので、すでに長い年月を経て、判読不能な文字や言葉の誤用もあった。資料の正確性と完全性を保つため、欠落部分は「○」で示した。原文には、武藤氏自身が「○」によって情報(bào)を隠している部分もあり、翻訳もこれに従った。一部の人名は、作者の意見を尊重して処理を加えた。資料の事実性を確保するため、日記と書簡の原文の複寫も添付した。
2015年は、中國人民抗日戦爭勝利70周年の年である。この記念の年に、北京外國語大學(xué)北京日本學(xué)研究センター社會(huì)専攻の教師と學(xué)生が共同で翻訳し、原稿のまとめや翻訳審査を私が擔(dān)當(dāng)し、人民日?qǐng)?bào)出版社が版元となった本書が出版されるに至ったことは、非常に意義のあることと言える。
本書出版にあたっては、人民日?qǐng)?bào)出版社の指導(dǎo)者並びに宋娜編集員の多大な協(xié)力をいただいた。心からの感謝を示したい。また當(dāng)方の水準(zhǔn)の限界による翻訳上の間違いや不足については各位の批判や叱正を仰ぎたい。
宋金文
2015年4月15日 北京にて
「人民網(wǎng)日本語版」2015年10月20日
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