3つ目は自虐の壁。トークショーにはいくつか決まりがある。例えば障がい者などの弱者をからかってはいけないが、自虐ネタは問(wèn)題ない。貴子さんが笑いのツボとして使うのも自虐ネタだ。日本人にとって、中國(guó)では自虐ネタにできるものが多すぎるほどある。歐米人パフォーマーからすると、自虐は特にめずらしいものではないが、日本や中國(guó)といった儒家文化の國(guó)は、民族に対する強(qiáng)い自尊心を持っている。もし中國(guó)人が日本で中國(guó)の不合理な物事をけなして観客の笑いを取ったならば、すぐにネットユーザーの怒りを買い、吊るし上げられてしまうのだろう。貴子さんが果敢にもこの一歩を踏み出し、自虐ネタを選んだのは本當(dāng)に勇気のあることだといえる。一途で、考えを曲げない、自分が正しいと思ったらとことん突き進(jìn)む、これも実は日本人のあまり知られていない特徴だろう。
例えば貴子さんが日本の禮節(jié)の煩わしさをネタに「日本人は毎日何度もお辭儀をして、ヨガを思いついたんですよ?!工仍挙贰?20度のお辭儀をしてみせる。さらに「ヨガはインド人が思いついたものって言われているんですよ。日本のヨガがインドに盜まれてしまいました。でも私たちはこれっぽっちも怒っていません。だって最終的には全て韓國(guó)人のものになるんですから」と風(fēng)刺する。韓國(guó)人ネタは中國(guó)と日本では広く知られていることなので、観客からは自然と笑いが巻き起こる。
貴子さんは若く見えるので、ずっと日本でも中國(guó)語(yǔ)を勉強(qiáng)していたのだと思っていた。しかし話を聞いてみると、意外にも日本で中國(guó)語(yǔ)を勉強(qiáng)したことはなく、しかも中國(guó)に來(lái)てまだ2年も経っていないという。私は10年近く日本語(yǔ)を勉強(qiáng)しているが、ステージでのトークショーはおろか、即興スピーチですらまともにできない。
私は貴子さんから外國(guó)語(yǔ)を?qū)Wぶには天賦の才が必要と言われるが実はなにより勇気が必要なのだと感じた。日本人は保守的な民族だが、著名な探検家もよく誕生している。このような日本人はまだ見ぬ世界を恐れず、自分から飛び込んでいく。貴子さんもその一人だ。彼女は日本が制作した清代末期の宮廷を描いたドラマ「蒼穹の昴」を見て、登場(chǎng)人物の魅力に引き込まれ、紫禁城をこの目で見たいという思い、中國(guó)に憧れるようになったのだという。そして中國(guó)で仕事をする機(jī)會(huì)があったので、やってきたのだ。
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