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グルメ作家の筆者は、うま味調(diào)味料を発明したのは、なぜ様々なグルメを生み出すのが得意な中國人ではなく、料理の仕方が比較的シンプルな日本人なのかということをしばしば考えていた。(文:徐航明。瞭望東方周刊掲載)
後になって、その理由は、日本料理は比較的早い時期に科學研究と「タッグを組む」ようになったのに対して、中華料理は「経験」を基に、代々受け継がれているためであることが分かった。
味覚は五感の一つで、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の5つが基本味に位置づけられている。基本味に誰もが知っている「辛味」が入っていないのは、「5基本味」は、食品に含まれる味物質(zhì)が味蕾細胞を刺激することで感知されるのに対して、「辛味」は、「痛覚」や「溫覚」で捉えられるからだ。
実際には、うま味が基本味に加えられたのは20世紀に入ってからのことだ?,F(xiàn)代醫(yī)學では、舌で感じることができるのは甘味、酸味、塩味、苦味の4つと考えられていた。「うま味」が基本味に加えられたのは、日本人が食べ物を科學的に研究したことと密接な関係がある。そのため、うま味の英文學名も「Umami」だ。

伝統(tǒng)的な日本料理では、昆布やカツオから取った「出汁」がよく使われる?!赋鲋棺泽wの「うま味」はうすいものの、それを使って各食材の風味を引き出し、一つの料理に仕上げるというのが、日本料理の基本だ。
20世紀初め、東京帝國大學(現(xiàn)在の東京大學)の池田菊苗教授は、「出汁」には、甘味、酸味、塩味、苦味とは違う、獨特の味があると考えた。しかし、當時はそれを科學的に証明することはできていなかった。しかし彼はそれに著目し、熱心に研究し始めた。1908年、池田教授はだし昆布の中からうま味物質(zhì)?グルタミン酸を発見し、それが「うま味」と名付けられた。それを初めに商品化したのが「味の素」で、それを製造する「味の素」は世界的に有名な食品會社に成長した。
日本の學者の味覚に対する研究がそれで終わったわけでは決してなく、次の目標に味覚センサーの開発を掲げた。九州大學の都甲潔教授は、自己組織化を行なう生體を模倣した複數(shù)の人工脂質(zhì)膜を用い、味覚を生じさせる化學物質(zhì)によって人工脂質(zhì)膜に生じる相互作用を電圧の変化に変換、パターン化して味の「味の質(zhì)と強度」を判定する味覚センサー(味認識裝置)を開発した。そして、インテリジェントセンサーテクノロジーが93年に世界で初めて味認識裝置「SA401」の実用化に成功した。同裝置を使うと、食品の5基本味を計測、數(shù)値化し、客観的に評価することができる。このセンサーは、既に飲料、酒類、調(diào)味料、果物、野菜、肉製品などの食品分野に応用されている。
日本の食品研究者の今の新しい目標は、人工知能を応用して、もっと複雑な味覚の分析をすることだ。
よく考えると、中國人は食べ物や料理を各種「文化」に発展させているものの、それを熱心に研究することはなく、経験を頼りに代々引き継がれ、世界に伝えられている。一方、日本人は、科學的に食べ物を研究し、ハイテクを活用して、それを継続的に精錬している。中國人は「得心」することを重視し、日本人は「研究」を重視する。中日の文化の違いは、食べ物に対する観點にも、はっきり表れている。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2017年10月9日
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