「鎌倉ものがたり」の妖怪は「山海経」から 「黃泉の國」は張家界がモデル
14日に公開される「DESTINY 鎌倉ものがたり」は、妖怪をテーマにしたファンタジー映畫で、日本公開日の昨年12月9日と翌日10日の全國週末興行成績では観客動員が延べ23萬人を記録し、興行収入が2億9000萬円に達した。そして、中國で9月14日に公開されることが発表されると、多くのネットユーザーが「9月必見の映畫」リストに入れた。では、「DESTINY 鎌倉ものがたり」にはどんな見所があり、中國伝統(tǒng)文化とはどんな関係があるのだろう。
日本文化に詳しい、雑誌「知日(It is Japan)」の編集長?蘇靜さんによると、「DESTINY 鎌倉ものがたり」というタイトルの「ものがたり」は一種の文學的表現(xiàn)で、中國語の「演義」、「伝説」などと似た表現(xiàn)だ。「鎌倉」は同作品の舞臺で、日本で3番目に大きな古都。14世紀に鎌倉幕府が衰退し、滅ぼされてしまったが、同地の伝説の発展にも影響を與え、多くの人がミステリアスなイメージを抱いている。
蘇さんによると、「DESTINY 鎌倉ものがたり」のいろんな要素が中國文化に端を発している。例えば、「黃泉の國」は湖南省張家界市と鳳凰古城がモデルとなった。鎌倉は丘陵地が多く、「黃泉の國」は別の世界観を創(chuàng)り出す必要があり、張家界の石の柱が立ち並んでいる幻想的な風景は、東洋のファンタジーの特徴とちょうどマッチしている。その他、「黃泉の國」は、「人によって見え方が違う」、「人々の心の中の様子を映し出す」という設定となっている。蘇さんは、「山崎監(jiān)督は、張家界の獨特の美しさと鳳凰古城の獨特の情緒を通して、一色正和の正義や伝統(tǒng)的価値観と、誰にも愛する人を奪われたくないという気持ちを描き出している」と分析する。
蘇さんによると、「DESTINY 鎌倉ものがたり」に登場する妖怪の多くも中國古代の地理書「山海経」に出てくる。例えば、カッパのモデルは「山海経」に出てくる黃河の神?河伯だ。中國の伝統(tǒng)文化において、河伯は怖い存在であるものの、日本のカッパがアニメ化され、親しみやすいかわいいイメージになっている。カッパの特徴は、頭頂部に皿があることで、皿はいつも水で濡れており、皿が乾いたり割れたりすると力を失うとされている。九尾の狐の要素はアジアの文化圈で非常に流行しており、日本にも韓國にもそれをテーマにした映畫?ドラマがある。九尾の狐をめぐる文化は原型をとどめたまま、中國から周辺地域に拡散していったことが分かる。
蘇さんは、「アジアの映畫?ドラマに登場する妖怪は中國の伝統(tǒng)文化に出てくる妖怪と類似點がたくさんある。それは、『山海経』を見れば分かる。その主な原因は、古代中國が東アジア文化圈において主な文化輸出國だったからだ?!篋ESTINY 鎌倉ものがたり』に登場する妖怪の多くは、浮世絵畫家?鳥山石燕が江戸時代に完成させた妖怪畫集『畫図百鬼夜行(上中下3巻)』を參考にしている。同畫集にでてくる妖怪の大半は、中國の妖怪と全く同じだ。ただ、『DESTINY 鎌倉ものがたり』ではそれらの妖怪が日本の現(xiàn)代アーティストによって手が加えられ、新たな息が吹き込まれている」と説明する。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2018年9月14日
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