劉慈欣の小説「流浪地球」が刊行された1999年はまだプロキシマ?ケンタウリの周囲に惑星が存在するのか知られていなかった。2016年年末、南米チリにあるヨーロッパ南天天文臺(tái)をはじめ世界中の望遠(yuǎn)鏡を用いた「Pale Red Dot（微かな赤い點(diǎn)）」と呼ばれる同時(shí)観測(cè)が行われ、プロキシマ?ケンタウリの周囲に地球に似た惑星を発見(jiàn)。天文學(xué)者だけでなく、多くの人を興奮させた。この惑星の質(zhì)量は、地球の約1.3倍で、プロキシマ?ケンタウリの周りを約11.2日かけて公転している。Planetary Habitability Laboratoryが定めた地球類似性指標(biāo)（ESI）の値は0.86だ。

それにもかかわらず、この惑星は地球とは非常に異なる性質(zhì)となっている。例えば、プロキシマ?ケンタウリの質(zhì)量は太陽(yáng)よりかなり小さいため、プロキシマ?ケンタウリ周辺のハビタブルゾーンもそれに応じて中心の恒星から近い距離にある。二者の距離が非常に近いため、天文學(xué)において非常によく見(jiàn)られる「潮汐ロック」（自転と公転の同期）という現(xiàn)象が起きる。自転と公転の同期が起きると、惑星は中心の恒星に常に同じ面を向けて回転する。身近な実例は地球の衛(wèi)星で、月は自転周期と公転周期が同じになっているので、常に地球に同じ面を向けている。そのため、中心の恒星に向けられている面は溫度が非常に高くなり、反対側(cè)は溫度が非常に低くなる。

自転と公転の同期のほか、中心の恒星は、頻繁に爆発現(xiàn)象が起こるというより重要な問(wèn)題もある。プロキシマ?ケンタウリの質(zhì)量は太陽(yáng)より小さいものの、その爆発の頻度と放出されるエネルギーも太陽(yáng)よりはるかに大きい。プロキシマ?ケンタウリの周囲にある惑星に到達(dá)する紫外線も、地球上で殺菌のために用いられる紫外線の100倍以上の強(qiáng)さとなっており、惑星上の生命にとっては致命的となる。さらに困ったことに、自転と公転の同期が起きると、現(xiàn)在の理論によると、惑星で磁場(chǎng)が生まれる可能性は非常に小さく、強(qiáng)烈な恒星風(fēng)が続くと、惑星上に大気があったとしても、それはいずれ完全に消失してしまう。

プロキシマ?ケンタウリをめぐる上記の環(huán)境に基づいて考えると、そこは地球が移住するのには適していないかもしれない。もしかすると、テクノロジーがさらに進(jìn)歩するにつれて、人類は太陽(yáng)系以外の地球からもそう遠(yuǎn)くない所で、ESIの値がもっと高く、ハビタブルゾーン內(nèi)に位置する別の恒星を発見(jiàn)できるかもしれない。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2019年2月15日