「私は長い道を歩き続け、多くの苦労を重ね、この博士論文をようやく提出することができた。學(xué)生として22年間歩んできた道は、風(fēng)雨に打たれ、ぬかるみ、數(shù)々の困難があった。まるで一場の夢の如く、つい昨日ようやく家族皆で一緒に過ごしたかのような感覚にすら襲われる」と、ある論文に書かれていた「謝辭」の內(nèi)容が最近、中國のネットで話題となっている。この論文の著者が綴っている山あいにある実家を離れ、過酷な運(yùn)命と立ち向かってきた様子に、多くのネットユーザーが心を揺さぶられている。

4月18日、中國科學(xué)院は微博（ウェイボー）の公式アカウントで、この「ヒューマンコンピュータインタラクション機(jī)械翻訳方法の研究と実現(xiàn)」というタイトルの論文の著者は、2017年に中國科學(xué)院大學(xué)を卒業(yè)した工學(xué)博士の黃國平さんであることを明らかにした。

黃さんは博士論文の「謝辭」の中で、「実家は山あいにあり、母親は私が12歳の時(shí)に家を出てしまった。父親は普段ほとんど家におらず、私が病気で自分では病院にも行けないような時(shí)でも、治療に必要なギリギリのお金を殘して、また家を離れるという狀況だった。17歳の時(shí)に、父親が交通事故で亡くなると、私は號(hào)泣した。なぜなら、これで病気になっても、私の世話をしてくれる人すらいなくなってしまったからだ。同じ年、一緒に住んでいた祖母も病気で亡くなった。殘された家族と言えば、犬の『小花』だけ。父親と祖母のお墓の番をしてくれていたけれど、私が街の高校に進(jìn)學(xué)してからはどこに行ったのか、生きているのか、死んでしまったのかも分からなくなってしまった。コンピューターの手ほどきをしてくれ、まるで兄のように面倒見てくれた邱浩先生には、私の大學(xué)合格通知書を見せることもできなかった......。毎回、帰省してこうした人たちのお墓を見るたびに、これらの墓が私に一分一秒を大切に生きろと示しているように感じる」と綴っている。

炬光郷小學(xué)から大寅鎮(zhèn)中學(xué)、儀隴県中學(xué)、綿陽市南山中學(xué)、そして重慶の西南大學(xué)に合格し、さらに中國科學(xué)院自動(dòng)化研究所へ進(jìn)學(xué)してきたその勉學(xué)と研究の生涯において、山を出て都市部へ行くことをずっと夢見ていた黃さんは、現(xiàn)実を突きつけられ、何度も夢をあきらめそうになったというものの、「勉強(qiáng)を続けて、山から出て、この一生を無駄にはしない」という信念を抱き続けたという。

「謝辭」の最後の部分で、黃さんは、「その理想は素樸で、人生の半分を歩んだ時(shí)も、少年のような自分でありたい。そして、これまでの苦労を無駄にせず、この世界の素晴らしさを再認(rèn)識(shí)する機(jī)會(huì)があることを願(yuàn)っている。最後に、他の人がもっと素晴らしい生活を送ることができるような何かを成し遂げることができたなら、この一生は儲(chǔ)けものだったと言えよう」と綴っている。

公開されている資料によると、黃さんは2014年に中國科學(xué)院自動(dòng)化研究所の博士課程で學(xué)ぶようになり、宗成慶研究員の指導(dǎo)の下、パターン認(rèn)識(shí)とスマートシステムを研究するようになった。そして、2017年に同大學(xué)院を卒業(yè)し、インターネット大手?騰訊（テンセント）に就職し、人工知能実験室「騰訊AI Lab」の高級(jí)研究員を擔(dān)當(dāng)しているという。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2021年4月19日