同盟國の日本への反撃が強(qiáng)まると、戦局は日本に不利な方向へと傾斜していった。戦線拡大で日本の兵力不足の狀況も深刻化し、日本軍は一般の日本人を大量に強(qiáng)制召集し始めた。徴兵検査で「乙種」（すぐに入軍の必要なし）の評価を受けていた高橋も1944年4月、入軍することとなった?！杠婈牑婴い?、入軍は嫌だったがどうしようもない。義務(wù)なので逃げれば捕まる」

　中國語のできた高橋は6カ月の新兵訓(xùn)練の後、「宣伝広報班」に配屬された?！感麃粠趫蟀唷工趣稀F(xiàn)地の中國の民衆(zhòng)に宣伝戦や奴隷化教育を行う部署である?！杆饯稳蝿?wù)は、前線に行って戦い、銃をかついで中國人を殺すことではなかった。占領(lǐng)地の中國人の人心安定工作を行い、中國人による日本軍への協(xié)力を促すことだった」

　「宣伝広報班」に入った高橋は、京劇愛好家の中國人50人余りを現(xiàn)地で集め、京劇団を設(shè)立し、済南周辺の村々で公演した。中國では當(dāng)時、京劇が大流行し、庶民の人気が高かった。高橋らは、中國人との距離を縮めるために京劇を使った宣伝を行ったのである。ただ日本軍の當(dāng)時の政策では、演目は中國で広く愛される「水滸伝」や「三國志」などの武俠物がほとんどで、あからさまな政治プロパガンダはなかった。

▽「人を殺せる人」を作り出す軍國教育

　高橋は戦場に行ったわけではないが、戦場は高橋から遠(yuǎn)くはなかった。京劇団を率いて各地を公演している間にも、済南の周囲に駐屯する日本野戦軍は中國の軍民を「討伐」「掃蕩」し、いわゆる「秀嶺作戦」を著々と展開していた。済南市內(nèi)の司令部で務(wù)めていた高橋は、日本軍の焼き討ちや殺害、略奪の現(xiàn)場を見ることはなかった。「多くの行動は秘密で行われ、行動は上級士官にのみ報告され、下級の兵士同士は仲間が何をしているのかさえはっきり知らなかった」?！负韦黏长盲皮い毪蛉毡緡瘠椁胜盲郡坤堡扦胜?、前線の兵士でさえしばしば知らなかった。兵士たちは自分が何をしたかを知っているだけだった」

　「軍隊は嫌いだったが、一度入ったものならば立派な軍人になりたいとは思っていた」。高橋は當(dāng)時、「侵略」という言葉を知らなかった?！复髺|亜共栄圏」実現(xiàn)でアジア各國を豊かで強(qiáng)い國にするのだという間違った理論が日本人の思想を支配していた。軍人への教育はとりわけねじ曲がり、非人道的なものだったという。