「私は人を殺さずにすんでよかった」。取材の後、中國(guó)侵略日本軍の元兵士である94歳の高橋哲郎氏（以下敬稱略）は人民網(wǎng)の取材にそう語(yǔ)った。中國(guó)人を「殺さずにすんだ」というこの日本人元兵士は、その生涯の多くを、日本軍國(guó)主義の侵略の罪を懺悔し、歴史の真実を人々に伝えることに費(fèi)やしてきた。「歴史への理解と反省なしに日中友好を?qū)g現(xiàn)することはできない」と高橋は語(yǔ)る。

▽軍隊(duì)は嫌いだったが召集受ける

　日本は明治維新後、急速な発展を遂げ、歐米列強(qiáng)の分捕り合戦の餌食となっていたアジア諸國(guó)の中で真っ先に工業(yè)化を?qū)g現(xiàn)した。これと同時(shí)に、民族主義的な優(yōu)越感と拡張の野心も芽生え始めた。軍國(guó)主義はゆっくりと、日本社會(huì)の支配的な思想となっていった。軍國(guó)主義者は「大東亜共栄圏」を叫び、アジア諸國(guó)を歐米列強(qiáng)の圧迫から救うのだと主張しながら、隣國(guó)への侵略と拡張を進(jìn)めた。日本は中國(guó)を覇権実現(xiàn)の生命線とみなし、軍隊(duì)を送って侵略占領(lǐng)を進(jìn)めると同時(shí)に、中國(guó)で事業(yè)を興すよう日本の若者を鼓舞した。

　1921年生まれの高橋は、このような環(huán)境の中で育った。當(dāng)時(shí)の日本の統(tǒng)治者は「大東亜共栄圏」や「五族協(xié)和」をスローガンとし、日本の指導(dǎo)によってアジアの國(guó)々を豊かで強(qiáng)い國(guó)にするのだと主張していた。高橋は小さい頃から、大人になったら中國(guó)に行って仕事をするのだと夢(mèng)見ていた。大阪外國(guó)語(yǔ)學(xué)校の入試を受けて合格し、中國(guó)語(yǔ)専攻を選んだのもそのためだった。

　1941年7月、卒業(yè)したばかりで20歳の高橋は中國(guó)の青島に赴き、現(xiàn)地の日本の商社に就職した。同年には済南に異動(dòng)となった。高橋によると、當(dāng)時(shí)の中國(guó)は弱國(guó)で、日本の占領(lǐng)下で半殖民地狀態(tài)となっていた。庶民は貧しく、中國(guó)人労働者は日本人に「苦力」と呼ばれこき使われていた。