瀬野清水?元駐重慶日本國総領事
瀬野氏は、日本にとって中國は、日本に多くの文化の恩恵をもたらした大國だと考えている。漢字や服裝などはもちろん、仏教や儒教などの哲學の分野でも日本は中國から多くのことを學んだ。「隣國がすたれていくのを見るのは、日本にとってもいいことではない」。瀬野氏は、こうした考えが、1979年以降に日本が政府開発援助(ODA)などの形を通じて中國の経済発展を助けたもととなったと語る。
購買力平価で計算すれば、中國のGDPは2014年に米國を超えて世界一となった。瀬野氏は中國経済の持続発展に対して楽観的な見方を持っている?!钢袊瑥姶螭趣胜欷?、日中両國はともに、世界の平和と安定のために多くのことができる。日中が手を攜えて世界に貢獻できる時代がまもなく來る」
▽外交に必要なのは「誠意」 普通の人々との交流を重視
外交官と言えば、多くの人のイメージは、各種の重要な國際會議に出席し、國と國との間を取り持ち、國家間の平和を促す重任を擔っているというものだろう。だが瀬野氏は、これは外交官の一面にすぎず、人々の中に入って行き、誠意を持って普通の人々と交流することも同じように重要なのだと語る。中國で仕事をした25年の間に、瀬野夫妻は3人の子どもを産み育てたが、子どもたちは自分と一緒に中國で暮らし、學んだ。子どもを連れて散歩をする時も、自分ひとりで外に散歩に出かける時も、瀬野氏は中國の普通の民衆(zhòng)と交流するのを楽しんだ。
瀬野氏は、中國の普通の民衆(zhòng)と觸れ合った経験のうち、二つのエピソードを話してくれた。その一つは、中國人の元抗日兵士と築いた友情である。在広州日本総領事館で仕事をしていた頃、瀬野氏はある元抗日兵士と知り合った。戦爭中、この元兵士は上海で、日本軍に反撃する戦闘に參加した。周囲の大勢の戦友は戦闘で日本軍に殺され、自分だけが殘ったのだという。この元兵士はずっと心に苦しみを持ち、日本人に遭遇したらきっと戦友の仇を取ってやろうと思っていた。
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