先ごろ開かれた初の「中國宇宙の日」に関する記者會見で、中國國家航天局(宇宙局)の許達哲局長は「火星探査任務はすでに批準を経て立案されている。中國は第13次五カ年計畫(2016?20年)の最終年、すなわち2020年頃に火星探査機を1基打ち上げる予定だ。中國の火星計畫がついに始まるのだ」と述べた。
今回の任務では、探査機が火星の大気圏突入後、空気抵抗とパラシュートによる減速のチャンスが一度しかない點が最も難しい點となる。
中國航天科技集団公司第五研究院総體部の火星探査機チーフデザイナーの孫沢洲氏によると、火星探査任務は數多くの技術的問題に直面しているのだという。
まず、火星の大気の問題だ?;鹦扦未髿輬Rは低く、地球の地表の1%のみで、不確定性が高い。その変化や暴風発生時の特徴といった要素について、科學者はまだはっきりした認識を持っていない。火星では夏に、地球に似た砂嵐が起きやすく、火星ローバーが浴びる太陽エネルギーが激減する。その際には火星ローバーを「スリープモード」にし、嵐が過ぎ去るのをひたすら待たなければならない。
次に、日照の問題がある?;鹦扦系厍颏樽铋L4億キロ離れ、太陽よりもさらに遠い。同じ面積であっても、火星が浴びる太陽エネルギーは月面の4割のみだ。また火星の大気は太陽光を弱める力を持ち、火星探査のエネルギー供給が難しくなる。探査機のソーラーパネルの面積を広くし、しかも調整を繰り返し太陽の方に向けておく必要がある。それから火星表面の重力は地球の38%のみだが、月面を大幅に上回るため、探査機の出力をより上げなければならない。
孫氏は「今回の火星探査では、探査機が火星の大気圏突入後、空気抵抗とパラシュートによる減速のチャンスが一度しかないため、これが最も重要で難しい點であり、必ず成功させなければならない。その上、地球と火星は遠く離れており、すべてを地球上からリアルタイムで制御することはできないため、探査機が自ら行わなければならない。これほどの高度から落下する速度を推進剤により落とすことはできないため、火星上陸の際には火星の大気の力で減速しなければならない。ところが火星の大気を、地上でシミュレートすることは難しい。これらの問題は、設計士たちにとって大きな技術面での難題となる」と説明した。
中國空間技術研究院の■之浩氏(■はまだれに龍)は「全體的に見て、火星探査の方法は月探査に似ており、周回?著陸?巡視?帰還となる。これにより最終的に、有人火星上陸の目標を実現する?;鹦扦鹊厍颏尉嚯xは、月と地球の距離よりも離れているため、火星探査では一連のより複雑な技術の難関を突破しなければならない?,F時點で、一度の打ち上げで周回と著陸という火星探査の2つの任務に成功した國はない。中國は2020年に、初めての周回?著陸?巡視という火星探査の3つの任務を成功させる計畫だ。これは史上例のない大きな技術の挑戦となる」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年8月12日
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