気がつけば、日本のコメを何袋も抱えて帰國するのが、日本を訪れた中國人観光客の定番になっている。今やこのようなコメを抱えて帰國する訪日客の人數(shù)は以前ほど多くなく、わずかの間のこうした変化の背景にはさまざまな原因が考えられ、その1つとして日本のコメがますます中國大陸部の市場に進出するようになったことが挙げられる。一財網(wǎng)が伝えた。

長年にわたり、中國の巨大なコメ消費市場が海外のサプライヤーたちの注目を集め、特に近い距離にある隣國?日本の期待が高い。日本最大のコメ卸売企業(yè)?株式會社神明はこのほど、泉膳（中國）投資有限公司と提攜して、日本北部の富山県産コシヒカリを中國市場に持ち込んだ。展示會場に行くと、コシヒカリを使った牛丼の器がずらりと並び、おいしそうなにおいが漂っていた。

神明中國法人代表を務める成都栄町食品有限公司の趙一鳴社長は、「現(xiàn)在、神明が中國に輸出する日本のコメは100トン余りしかない。當社は中國市場を非常に重視しており、2020年にはコメの対中輸出量を現(xiàn)在の20倍に拡大して、2千トンに増やす計畫だ。また25年の輸出量は現(xiàn)在の100倍に増えて、1萬トンを目指す」と述べた。

現(xiàn)在、神明のコシヒカリは主に日系スーパーとECプラットフォームで販売されており、ECサイトを見ると販売価格は2キログラム148元（約2416円）だ。趙氏によれば、「この価格は日本の小売価格の2倍だが、中國市場で売られている日本からの輸入米の中では、最も安い小売価格だ」という。

神明はコシヒカリだけでなく、今年9月には兵庫県産のコメも含めて25トンを中國に輸出した。

▽日本では売れていない

ここ數(shù)年、日本のコメが日本でたびたび売れないという困った事態(tài)に直面している。特に高級ブランド米がそうだ。

日本農(nóng)業(yè)研究所の研究によると、日本では食品の種類がますます豊富になって多様化し、若い人の飲食習慣が変化していることから、米の消費量が減少を続けている。統(tǒng)計をみると、1961年は一人あたり年平均118.3キログラムを消費していたのが、17年は54.4キログラムと半減した。

日本國內(nèi)でのコメの消費量が減少したため、コメ農(nóng)家の人數(shù)と収入も減少した。日本全體での人口減少も消費量減少に拍車をかけた。

日本國內(nèi)市場は縮小を続けているのに対して、日本のコメ生産量はどんどん増えている。日本の農(nóng)林水産省のまとめたデータによると、17年の日本産コメの輸出量は約1萬2千トンで、初めて1萬トンの大臺を突破した。そのため、業(yè)界のアナリストは、「このようなコメの販路拡大は、日本政府にとって、消費増稅に匹敵する重要性をもつ」との見方を示す。

ここ數(shù)年、日本貿(mào)易振興機構（ジェトロ）が日本のコメの販路拡大という重大な役目を擔っている。ジェトロ上海事務所の小栗道明所長は、「日本の農(nóng)林水産業(yè)の一層の発展を促すべく、昨年の農(nóng)林水産物の輸出額は8千億円に到達した。安倍政権の計畫では、來年この數(shù)字は1兆円に達する見込みだ。これは現(xiàn)在は2020年の目標額で、安倍政権は前倒しで達成したいとしている」と述べた。

具體的なコメおよびコメ加工品の輸出について、安倍政権の計畫では、19年の輸出規(guī)模を600億円にするという。だが同省のデータをみると、16年のコメの輸出量は実際には9986トン、輸出額は27億円にとどまった。目標達成に向けて、安倍政権は日本國內(nèi)の輸出業(yè)者59社と産地250ヶ所および生産者団體に対する一定の政策的支援を通じて、量の飛躍的増加を達成したいとしている。