○「楽しい作品を作る」

ほとんどのネットユーザーから好評を博している同作品だが、その鍵を握るのは、「人を感動(dòng)させる純愛」「完璧なディテール」「少女心満載」といった點(diǎn)だ。多くの人々が、「以前は、風(fēng)景や自然描寫の美しさを表現(xiàn)することで有名だった新海監(jiān)督が、この作品では、複雑なストーリーを余すことなく表現(xiàn)している」と評価している。

「ストーリーは語れない」とこれまで批判されていた新海監(jiān)督は、「ほしのこえ」「雲(yún)のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」など數(shù)多くのアニメ作品を手掛けており、「少年少女の戀愛」が各作品の主なテーマだった。男子高生と女子高生が夢の中で出會(huì)うことからストーリーが展開する今回の新作は、題材的には過去の作品と似通っている。しかし、新海監(jiān)督は、「私たちの人生には、出會(huì)うべき相手は必ずいる。明日、あるいは明後日、あるいは1年後に出會(huì)う人が、自分の人生において非常に重要な人である可能性がある。そのことを理解して初めて、2人の本當(dāng)の関係が始まることを、この作品を通じて伝えたかった」としている。

男性主人公と女性主人公の魂が入れ替わるという設(shè)定によって、新海監(jiān)督は、少年と少女の距離を表現(xiàn)しようとした?！笇gは、2人の間の距離はゼロになっていた。このゼロ距離は、同時(shí)に、限りなく遠(yuǎn)い距離でもある。というのも、2人は実際に會(huì)ったことがないため、2人がお互いに融合狀態(tài)に入った時(shí)點(diǎn)でだんだんとお互いが獨(dú)立する狀態(tài)に入り、各自が大人という完成形になるまで成長していく」と新海監(jiān)督は述べた。

過去の新海作品の多くは、開放的あるいは悲劇の結(jié)末を迎えている。主人公は、離れ離れになる、もしくは行き違いになってしまい、最終的に結(jié)びつくことはない。だが、「君の名は?！工谓Y(jié)末は、意外にもハッピーエンドだ。これについて、新海監(jiān)督は、「確かに、過去の作品の多くは、初戀が実らないというストーリーだった。これは、人生において初戀も夢も良いことだが、実際には失敗の方が成功よりはるかに多く、成功を手中に収める人は極めて少ないからだ。たとえば、『秒速5センチメートル』では、たとえ夢を?qū)g現(xiàn)できなくとも、初戀を?qū)gらせることができなくとも、我々は強(qiáng)く生きて行かなければならない、ということを表現(xiàn)したかった」と語った。

新海作品のコンセプトが変わるきっかけとなったのは、2011年の東日本大震災(zāi)だった。その時(shí)受けた心の傷によって、日本人は、快楽や幸福を得られる何かをより強(qiáng)く求めるようになった。このため、新海監(jiān)督のなかに、「過酷な現(xiàn)実の中にいるからこそ楽しい作品を作ろう」という想いが生まれた。新海監(jiān)督は、「『君の名は。』では、たとえ手に入れるのが難しそうなものでも、限りなくそれを追い求め、手に入れるまで進(jìn)み続けなければならないことを表現(xiàn)したかった」と話した。（編集KM）

「人民網(wǎng)日本語版」2016年12月6日