「僕がここに住んでいる理由」の撮影チーム

「無心」で製作することで、コアなファンをゲット

「僕がここに住む理由」の製作のきっかけは2010年にまで遡ることができる。當(dāng)時(shí)、竹內(nèi)さんはNHKのドキュメンタリー「長江?天と地の大紀(jì)行」の監(jiān)督を務(wù)め、旅人役の阿部力さんと共に、1年かけて長江の源流から上海まで6300キロを旅し、長江に沿って人々の生活をカメラに収めた。竹內(nèi)さんはその當(dāng)時(shí)、「高倉健や山口百恵はまだ元?dú)荬胜韦工趣瑜劋欷郡韦坤趣いΑ?/p>

そして、「2010年なのに、中國の人々がいまだ高倉健と山口百恵しか知らないことに本當(dāng)にびっくりした。その時(shí)、中國人に今の日本を紹介しなければと思い立った」のだという。

しかし実際に「僕がここに住む理由」の製作を始めてみると、実はこうした中國に対する理解は、中國の地域差にもよる誤解だったということを竹內(nèi)さんは発見することになる。しかしこの「美しい誤解」ゆえ、同作品は中國のモバイルネットワーク技術(shù)がもたらしたネット動(dòng)畫配信ブームと日本旅行人気の高まりと共に勢いづいた旅行関連番組ブームの波に乗り、真実を記録するドキュメンタリー番組という形でコアなファンの心を摑んでいくことになった。

製作にあたり、竹內(nèi)さんは通常臺本は準(zhǔn)備しないのだという。それは、「そのほうがもっともリアルな狀態(tài)を撮影できるから」だという?！副O(jiān)督、今日は何を撮りますか？」、「それは僕にも分からない」というやりとりは、「僕がここに住む理由」の撮影時(shí)のカメラマンと監(jiān)督が交わす最も「ありふれた」やり取りなのだという。そして、臺本がないため、1話15分ほどの作品だが、撮影には1日から2日間ほどかかってしまう。同作品の主人公は日本に住む中國人か中國に住む日本人で、今は世界各地に住む中國人にもその対象を広げている?！钢魅斯蜻xぶ時(shí)の唯一の基準(zhǔn)は、一生懸命努力している一般人」と竹內(nèi)さん。同作品の視聴者は中國のネットユーザーを?qū)澫螭摔筏皮辍⑷毡兢俗·嘀袊摔陀Q的に日本を紹介したり、中國に住む日本人がその場所を中國人にとっては斬新な視點(diǎn)から紹介したりしている。また、その他の國に住んでいる中國人という、日本の監(jiān)督とは一見無関係なテーマについて竹內(nèi)さんは、やや考えるように「僕は中國人を撮るのが好きだから」と説明してくれた。

「僕は10年間監(jiān)督として働き、世界中の人を撮ってきた。でも、僕の経験からして、撮っていて最もおもしろいと感じるのが中國人。中國人はカメラの前でも元?dú)荬?、率直で、自然。泣いたり、笑ったり、怒ったりすることもいとわず、感情全てを表現(xiàn)してくれる」と語る。

今年10月までで、「僕がここに住む理由」の再生回?cái)?shù)は2億回を突破し、公式微博（ウェイボー）アカウントや微信（Wechat）アカウントにも20萬人以上のフォロワーがいる。始めはプロデューサーや監(jiān)督の人脈を頼りに取材対象を探していたものの、今では毎日のようにフォロワーから取材対象を推薦するメッセージが屆くため、そこからスタッフらがチョイスしているのだという。また熱心なファンの中には、「番組スタッフになりたい」という人もおり、同番組の製作チーム9人のうち4人は同作品、または監(jiān)督のファンなのだという。趙萍プロデューサーは、「これは、私たちファンの最大の経済効果」と笑顔で語った。