9歳になった頃、突然家が破産に追い込まれ、四方八方から借金返済に追われる生活へと一転、養(yǎng)父は投獄され、池田さんと養(yǎng)母の暮らしは貧しさを極めた。年越しの日は隣人からもらった肉を売ってとうもろこしを買い、數(shù)日間にわけて食べた。新年に新しい服を著れない池田さんを不憫に思い、養(yǎng)母は自分が嫁入りにもらった服を出して綿入りの上著にして池田さんに著せた。

生活を食いつなぐ養(yǎng)母にも限界がきていた。ある晩、池田さんは養(yǎng)母が寢床にいなくなったことに気づき、慌てて探してみると、養(yǎng)母が首をつる用意をしていた。池田さんは涙を流しながら「母がいなくなったら私はどうするの」と叫んだ。幼い池田さんのためにと、養(yǎng)母は歯を食いしばって耐え凌いだ。その後、池田さんは師範(fàn)學(xué)校に入學(xué)、卒業(yè)後は山間部の林場(chǎng)にある小學(xué)校に配屬され、幼少期の夢(mèng)が実現(xiàn)する。その後、同僚の紹介で林場(chǎng)の作業(yè)員と結(jié)婚し、3人の子どもに恵まれた。

池田さんは多くの中國(guó)人と同じように中國(guó)での生活を続けていたが、気がかりが一つだけあった?！缸苑证紊矸证悉胜螭胜韦⑺饯蛏螭坤韦险l(shuí)なのか」。幼い頃、家庭が困難に直面するたび、「生みの両親が私と養(yǎng)母を助けにきてくれますように」と秘かに念じたこともあった。

1972年の中日國(guó)交正?；沃椁护摔?、嬉しさのあまり夜も眠れずにいた。その新聞を部屋の真ん中に貼り付け、何度も何度も読んだ。その後すぐ池田さんは牡丹江に転勤となった?！钢腥沼押盲稳栅瑏?lái)た、生みの両親に會(huì)ってみたくなった」そう思った。養(yǎng)母のことを思いこっそりと情報(bào)を集めていたが、何ら結(jié)果は得られず、思い切って養(yǎng)母に自分の思いを伝えてみると、養(yǎng)母は気を悪くするどころか、進(jìn)んで當(dāng)初池田さんを引き取った李家に連れて行ってくれた。殘念ながら李家はかなり前に引っ越したということで、結(jié)局重要な手がかりは見つからず仕舞いとなった。

養(yǎng)母の博愛は改めて池田さんの養(yǎng)母への敬意の念を深めた。池田さんは「養(yǎng)母は苦労の中を生きた人。私は実の子ではないかもしれないが、養(yǎng)母の愛は生母に勝る。養(yǎng)父母の愛は永遠(yuǎn)に忘れられない。來(lái)世があるなら來(lái)世も養(yǎng)父母の子でありたい」と養(yǎng)父母への感激の思いを語(yǔ)る。養(yǎng)母はすでに他界して30年近くが経つが、殘留孤児の養(yǎng)父母を見るたびに自分の養(yǎng)父母を思い出し、「様々な苦労をしながら敵國(guó)の子を育てる。どんな情況であれ、私たちそんな彼らの行為に感謝すべき。彼らがいなかれば私たちの今日はない」と自分に語(yǔ)る。