昨年始まった第2回チベット高原総合科學(xué)観測(cè)研究が5日、西蔵（チベット）自治區(qū)ラサ市で初の成果を発表した。新華社が伝えた。

第2回チベット高原総合科學(xué)観測(cè)首席科學(xué)者で中國(guó)科學(xué)院院士の姚檀棟氏によると、チベット高原とその周辺地域の氷河の面積が過去50年間で15％減少し、高原の永久凍土の面積が16％減少した。チベット高原の1平方キロメートル以上の湖沼の數(shù)が1081ヶ所から1236ヶ所に増え、総面積が4萬平方キロメートルから4萬7400平方キロメートルに拡大した。またヤルツァンポ川とインダス川上流の年間流量が増加傾向を示している。なかでも中央アジアのアムダリヤ川とシルダリヤ川、タリム川の數(shù)十本の支流の流量が特に増加している。このように「アジアの給水塔」と呼ばれるチベット高原生態(tài)のバランスの亂れに伴う災(zāi)害が多発している。2016年にはチベットのガリ地區(qū)阿汝氷河で氷が崩壊し、死傷者を出す深刻な人的災(zāi)害と財(cái)産の損失が生じており、チベット高原の運(yùn)命を脅かしている。そのため科學(xué)早期警戒體制の構(gòu)築が必要とされている。

チベット高原は徐々にその緑を増やしているが、これには懸念も含まれる。姚氏によると、チベット高原成長(zhǎng)シーズンの平均植生指數(shù)が大幅に上昇しているが、2000年以降は上昇が緩やかになっている。また、チベット高原の炭素貯留効果が大幅に拡大しているが、今後の溫暖化により凍土が溶解し、生態(tài)系の炭素貯蔵機(jī)能を低下させる可能性がある。高山の樹木限界が上昇し、森の生物數(shù)が増加しているが、寒冷地の灌木や草原の生存空間を狹めている。さらに高海抜に特有の種が絶滅するリスクが拡大しうる。溫暖化は農(nóng)業(yè)生態(tài)系にも潛在的なリスクを形成している。

科學(xué)観測(cè)により、カイラス山がヒマラヤ山脈よりも先に現(xiàn)在の高度に到達(dá)したことが分かった。ヒマラヤ山脈は南アジアの季節(jié)風(fēng)気団の北への移動(dòng)を妨げ、チベット高原が徐々に乾燥し寒くなっていった。高原の隆起後、チベット地區(qū)の生物は「チベット離脫」と「高原ハブ」が共存するモデルを形成したとみられている。（編集YF）

「人民網(wǎng)日本語版」2018年9月6日