北京大學(xué)の雪キ(玉偏に奇)さんは、「醤油は日本の料理には欠かせないもの。雑炊やお茶漬け、麺類(lèi)、パン、スシの調(diào)味料、出汁、お菓子など、醤油の入っていないものを探すのは難しい」と話す。小さな醤油が世界各地に広がったのはなぜか。キッコーマンは醤油の新市場(chǎng)を開(kāi)拓する時(shí)、現(xiàn)地の人が醤油を使って現(xiàn)地の食材を調(diào)理することを考える。たとえば米國(guó)のスーパーでは醤油味の焼き肉の試食を提供する。このような普及の方法は「食育」と呼ばれ、これまでに醤油はフランス料理、イタリア料理、中華料理、韓國(guó)料理に影響を與え、料理の中にとけ込んでいる。
企業(yè)市民と食育の理念。これが中國(guó)人民大學(xué)の張黎陽(yáng)さんの抱いていた疑問(wèn)への回答となった。張さんは、キッコーマンが世界各地で行う取り組みは投資とリターンがつり合わないと思っていた。たとえばイタリアでコメを栽培し、現(xiàn)地の生態(tài)環(huán)境の回復(fù)を目指したり、世界各地で健康食品の理念についての教育活動(dòng)を展開(kāi)たり、料理教室を開(kāi)催したり、などだ?!袱饯长摔椁铯毪长趣?、キッコーマンは最高級(jí)の醤油を作って、これを魅力溢れる文化的商品にしたということだ」という。
張さんはキッコーマンの若い社員と交流した際、社員達(dá)が企業(yè)に示す「変わらぬ」忠誠(chéng)心や企業(yè)と従業(yè)員との和やかな関係性に多くのことを?qū)Wんだという。中國(guó)の人材サイト?英才網(wǎng)聯(lián)と教育サイト?騰訊教育が2012年に発表した調(diào)査データをみると、中國(guó)の若い大卒者で初めて就いた仕事を1年以?xún)?nèi)にやめた人は47%に上り、3年以上続いた人は18%にとどまった。こうした現(xiàn)象は日本企業(yè)の「終身雇用」の企業(yè)文化と鮮明な対照を成すことは明らかだ。
キッコーマンの根幹となる事業(yè)の伝承には「8家の共同統(tǒng)治」という大きな特徴がある。8つの家があるが、優(yōu)れた人物でなければ入社できない。8家はライバルでもあり、それぞれが後継者の教育に熱心になるのは當(dāng)然のことだ?,F(xiàn)在の堀切社長(zhǎng)も初めは営業(yè)販売職を擔(dān)當(dāng)し、市場(chǎng)開(kāi)発、製造などさまざまな現(xiàn)場(chǎng)を経て、40年以上かけて現(xiàn)在の地位にたどり著いた。
張さんは、「社長(zhǎng)の忠誠(chéng)心が一族企業(yè)の伝承への思いからきているとすれば、若い社員の企業(yè)に対する忠誠(chéng)心は仕事上のキャリアと自分自身の価値に対する明確な認(rèn)識(shí)に基づいていることは明らかだ。個(gè)人が企業(yè)に履歴書(shū)を送る際、日本の若い人はなぜその會(huì)社で働きたいか、會(huì)社のために何ができるかを明確に記載する。履歴書(shū)は単なる個(gè)人の紹介狀ではない。企業(yè)の福利厚生をみると、日本では同じ規(guī)模の企業(yè)であれば待遇はほぼ同じで、社員は何か特技がなければ、たびたび転職して給料を上げるということはできない」と話す。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2016年8月10日
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