「米國第一」というスローガンが叫ばれて1年余りになる。昨年1月20日の演説を人々は覚えている。「今後あるのは『米國第一』のみだ。貿(mào)易、稅制、移民、外交に関する全ての決定は、米國の労働者と家庭の利益のためになされる」。米國の専門家は、「グローバリズムではなく米國主義」を掲げるこうした言葉は、米國が過去70年間の自らの外交政策及び世界との約束を放棄したことを意味すると指摘する。過去1年余りの米國外交の実踐からは、米國が「米國第一」のスローガンの下大股で歩んだことが見てとれるが、「米國第一」による利益を全く感じていない米國民は、現(xiàn)在不満を募らせている。（人民日報(bào)「鐘聲」國際論評）

米側(cè)は自らが仕掛けた貿(mào)易摩擦で「心ゆくまでやれば死んでもいい」といった勢いだ。世界に砲火を浴びせると同時(shí)に、自らにも砲火を浴びせているからだ。米イリノイ州のある大豆農(nóng)家は今秋の大豊作の見通しにも喜べずにいる。関稅戦爭のため1エーカーごとに100ドルの損失をこうむるからだ。米政府はこうした農(nóng)家に120億ドルの援助をすると宣言したが、平均すると最大で1エーカー當(dāng)たり14ドルに過ぎない。米労働省は先週金曜日、過去1年で消費(fèi)財(cái)価格が2011年の上げ幅を上回り2.9％上昇したこと、庶民生活に密接に関係する食料とエネルギー商品の価格が2008年9月の金融危機(jī)発生以來最大の上げ幅である2.4％上昇したことを公に認(rèn)めた。物価上昇率を差し引くと、過去12カ月米國人の平均時(shí)給は下がったが、労働者たちは勤務(wù)時(shí)間を増やすことを選ぶことで、なんとか週當(dāng)たりの平均収入を0.1％増やした。こうした統(tǒng)計(jì)を基に、米民主黨全國委員會は先週金曜日の聲明で「労働者たちは『トランプ政権』から利益を得ていない」と結(jié)論づけた。

もちろん、米政府が庶民の家計(jì)という小さな帳簿に関心があるとは限らない。だが問題は、米國の為政者に國レベルの大きな帳簿でさえ科學(xué)的に計(jì)算する気力がどれほどあるのかだ。貿(mào)易赤字削減は、數(shù)字の上で意地を張る事ではない！自國の市場と國際市場の需給構(gòu)造を米側(cè)は真剣に評価したことがあるのか？米側(cè)が貿(mào)易戦爭発動をわめき立てた6月、米國の貿(mào)易赤字は1年半ぶりの大幅な増加を見せた。関稅強(qiáng)化の見通しに米國企業(yè)が輸入を拡大せざるを得なかったことが大きな原因だ。英國のあるマクロ経済研究機(jī)関は、貿(mào)易戦爭の下で米國の貿(mào)易赤字は減るとは限らず、毎月約30億ドル増加する可能性すらあると警告する。このような結(jié)論に根拠はないと言える人はいないだろう。結(jié)局のところ、米國市場の硬直的需要はそこにあるからだ。元世界銀行経済學(xué)者のカウシック?バスー氏が指摘したように、特定の國との二國間貿(mào)易赤字に恨み言を言うのは、雑貨店、床屋、歯醫(yī)者といった自分に絶対必要な支出に恨み言を言うのと同じで意味がない。

驚くべきことに、米國の貿(mào)易政策策定者はみな耳が聞こえなくなったようだ。次々と上がる産業(yè)界、國際社會、研究機(jī)関からの聲に、彼らは全く耳を貸そうとしない?！搁v稅カードを切るのは米國にとって経済的に引き合わない。米國の生産は世界市場の中で極めて『ミクロ的』な部分だからだ。これはわれわれにとって打撃だ」「『破滅的』とは言いたくないが、この業(yè)界にとっては大変な苦痛だ」。中國という素晴らしい市場を失おうとしている米國の実業(yè)家は、「米國第一」が彼らにもたらす苦しみを現(xiàn)実的に感じている。ハーバード大學(xué)のダニ?ロドリック教授（國際政治経済學(xué)）は米政府が中國に対して貿(mào)易戦爭を仕掛けたことは、「極致まで熱にうかされた」ことを物語っていると考える。ロドリック教授は、中國の政策が國內(nèi)の成長と貧困削減を有力に実現(xiàn)しただけでなく、歐米にも輸出と投資の大市場を提供したことを忘れてはならないと注意を促す。「二國間貿(mào)易の不均衡に対する米國の攻撃は経済的に無知であり、理性的に虛偽だ」。米財(cái)務(wù)省の元駐中國専門官のこの判斷は非常に代表的なものだ。

米國の貿(mào)易政策策定者がいつ意識と理性を取り戻すことができるのかは分からない。いずれにせよ、「米國第一」はすでに頓挫し始めており、いつまでもつか、どこまで行けるかだけの問題だ。（編集NA）

「人民網(wǎng)日本語版」2018年8月16日